Studio Radishネットワーク速度測定システムRadish Network speed testing
 

イー・モバイルの実力

サービスが開始してまもなく1年のイー・モバイルですが、エリアの拡大とともに測定データも集まるようになって来ました。そこでイー・モバイルからの測定結果を集計してその実力を見てみました。全体としてはなかなか良い結果がでています。同種のサービスではあまり結果の振るわない携帯キャリアもある中でサービスの価格などを考慮すれば、現状のエリアの制限を除けば明らかにお得なサービスといえるでしょう。
先日音声通話サービスも開始したイー・モバイルですが、今後の注目としては、まだまだカバー率の低いエリアの拡大の速度と、普及に従い増える通信量に対して現在の速度品質を維持していけるかというところでしょうか。
結果の方を詳しくみると、下りの方は概ね1Mbpsから2Mbps程度の実スループットがかなり安定して出ていることが分かります。イー・モバイルでは昨年末に7.2Mbpsへの対応も始めましたが、データの方は集計期間の都合でこちらのサービスでの測定はあまり含まれていない可能性があります(7.2Mbps以前は最大3.6Mbps)。上りの方はサービスの上限である384kbps付近と64kbps付近に明らかなピークがあることが分かります。データを見る限りではおそらく電波状況で384kbpsと64kbpsを切り替えて通信しているのでしょう。それでもほとんどの場合384kbpsで通信できているようです。
【下り】
中央平均(サンプル数)
1.5 (8034)
0 10 Mbps
総サンプル数: 8034

【上り】
中央平均(サンプル数)
0.3 (5827)
0 1 Mbps
総サンプル数: 5827

速度的にはこの結果での平均的な速度の下り1.5Mbps、上り350kbps程度が出るのであれば、伝損の多少大きなADSL環境程度の実用性があるといえることになります。これは一部の広帯域を必要とするマルチメディアサービスを除けば通常のインターネット環境としては十分な帯域と言えるでしょう。
居住の期間が長くなることが見込まれない学生などが固定電話を使わなくなったように、ブロードバンドもワイアレスでリプレイスされうる時代に突入したといえるでしょう。
サービスエリアがまだある程度限られたサービスですが、個々人にとっては完全なユビキタスは実はそれほど重要ではないかもしれません。たまの旅行の出先での接続性までは保証されなくても、自分の主な生活動線上でサービスが利用できさえすれば、費用対効果を考えても、日常のインフラとして十分価値があるのではないでしょうか。そう考えると、自分の生活動線がどの程度エリアとして使えるかはぜひ確認しておきたいところでしょうから、事前に試用させてもらえたりするといいのではと思いました。
イー・モバイルに刺激され、定額制の携帯電話のデータ通信が出揃ってきましたが、今後はそうしたデータも集計するようにしていきたいと考えています。
2008年2月28日


【グラフの見方】
nパーセンタイル データを小さいものから順番に並べ、小さい方からn%の位置にある値。
中央平均 上下25%を除去したデータの平均。
どちらも、回線種別の登録ミス等により正常なデータ群から極端に外れた異常なデータの影響を受けにくくするために用いております。
凡例

【取扱いデータ】
2007年10月・11月・12月中にRadish Network Speed Testing (WebARENA版東京サーバー および 大阪サーバー)で測定されたもの。測定値は、測定者と当サイトのあるサーバーまでの通信速度を測定したものです。
測定品質80未満の測定値は除く。
データは接続元のホスト名をもとに抽出。ワイヤレスの特性を考え、同一測定者のデータも使用しています。

雑誌等への転載について
統計データの転載に関するお問い合わせはメールにて受け付けております。
統計処理の形式に関するご要望もご相談ください。

当ホームページはリンクフリーです
http://www.studio-radish.com
Studio Radish

お問い合わせ Studio Radishについて 個人情報保護方針 利用上のご注意 障害・メンテナンス情報